北九州で国産材を中心に「木の家」造りを実践しています

What is「木の家」?

ポイント2「木の家」の原点

法隆寺奈良県生駒郡斑鳩町(イコマグンイカルガチョウ)にある寺院、世界遺産法隆寺は既に1300年の月日が経過しています。高さが31.5mもある五重塔が現在に至るまで、地震や台風で倒れたことが無い事実には驚くばかりです。大規模な建築物と言えば鉄筋コンクリートや鉄骨造が当たり前ですが、その寿命を考えると、とても木造には太刀打ちできません。当時の寺院を造った飛鳥時代の大工さん達の「木組み」の伝統的な工法の完成度には目を見張るものがあります。釘等の金物に頼らず、木の癖を見抜きしっかり組んでいます。森林の命を建物に移し替える思想が絶えることなく宮大工に受け継がれ社寺建築が現存しているのは、奇跡に近いかも知れません。
世界に誇る日本の木造の伝統工法は私たちの貴重な文化資産です。私達は「木」に対する深い愛情を持ち、歴史の中で知恵と工夫を重ねてきた「木心」を一般の住宅に活かすように努めています。

 藤田材木店の「木の家のすすめ」

ポイント1「香り漂う木の住まい」

「T-house」玄関「木の家」は人間の五感に届きます。
玄関の扉を開けると「木の香り」があたり一面に広がります。現在主流の家全体を新建材で包み込む工程を見直しました。杉、桧、地松など国産材を中心に構造材をはじめ天井や壁、床に取り入れます。目に見える部分、手に触れる場所を素材のままの「木」を無塗装で、あるいは自然塗料を染み込ませふんだんに取り入れます。四季の移ろいや時の流れの中で「古美る」変化を体感できます。今日まで「木の家」の住まい手から好評をいただいています。

ポイント2 「プランと構造を一緒に考える」

プランプラン(間取り)はとても大切です。
一昔前のプランは必要な個室を数多く配置するのが主でしたが、今日では広い面積を持つ「LDK」を中心としたコミニュケーションを尊重した計画を基本にしています。また、廊下を少なくして部屋の使い方に可変性を与え、最近ではライフスタイルの変化に伴い、物干し室や多目的ギャラリーなど多様なニーズに応じた計画を立てることが多くなりました。
また私達は、丈夫で長持ちする家を常に意識しています。そのためプランを練っている最中に同時進行で骨組みを立体化して力の流れを確認します。どんなに優れたデザインであってもそれを支える軸組(骨組み)に無理があると歪が生じるからです。時には間取りに制限を加え故意に壁を入れたり、広い空間の中に柱を建てます。これらの作業が「住まい手」の家に命を吹き込むと考え時間を費やしています。建築基準法で決められているスジカイや金物にすべて頼ることなく木の性質をじゅうぶんに理解したうえで木の大きさやバランスの良い骨組みを考えて設計します。健全な骨組みに「住み手」の健康的な生活が育まれると考えています。

ポイント3「大壁から真壁仕様へ」

F邸真壁今、木造住宅と言えば骨組みを隠してしまう大壁工法です。それとは逆に柱や梁を現わしにして室内に見せる工法が真壁仕様です。
前者と後者の違いは何でしょう?大壁工法の場合骨組みをほぼ全て密閉してしまうので「木」の素材の持つ良さを生かすことが出来ません。コスト削減を優先しているため、真壁の持つメリットが発揮できないのです。もともと備わっている「木の持つ暖かさ」や「室内空間の調湿作用」「気持ちが落ち着く香り」など自然の恵みをなるべく多く享受したいものです。建築費に占める木材コストが、現在5~10%程度と最低水準ですが、私たちは20%前後の費用を目安にして構造材や内装材の適材適所を心がけています。
そして、真壁仕様を「住み手」の理解を得ながら実践しています。

ポイント4「刻む手仕事を大切にしています」

F邸刻み現在木造住宅の軸組のほとんどが機械加工によるプレカットで刻まれています。寸法が正確で工期が短く、かかる費用が割安のため多くの建築会社が利用しています。ともすれば、プレカットが刻む最良の手段であるかの印象を与えがちです。ただし、この機械加工は家を組立てるときにあくまで金物によって木と木を緊結することが前提です。もし金物がなければ自立できません。日本人が長い年月をかけて培ってきた大工の木と木を一体化する技術を使う場面がありません。一方、今まで大工が手間をかけて刻んだ家は、棟上げした際仮のスジカイを打つ必要がないほどしっかり立っています。個別に一本一本、材の性質を見極めて長所を活かして、木構造の特色である粘り強い建物が実現できます。
私たちは、大工の手で刻む家を「住み手」に勧めています。工期の問題やコストの上で、仮にプレカットを利用する場合でも、家を長期間使用する上で歪をなるべく小さくする、あるいは地震などの大きな力に対して粘り強く抵抗できるように大工の手仕事を取り入れます。

ポイント5「木の家」に感動を添えて

O邸内観屋久島にある縄文杉は、樹齢2000年とも3000年とも言われています。人の寿命は長くて100歳ぐらいですから樹木のほうが桁違いに生命力に満ち溢れています。100年単位で使える素材で住宅を作っていながら、人の都合で30年程度しか住めない家を造るのはとても残念なことです。木の寿命に合わせ2世代3世代と住み続られる家にしたいものです。私達は、小さな家であっても部屋や収納を余すところなく使い切るプランを考え、安らぎ・食事・就寝など生活の要素を多目的に満足できるように柔軟な発想で計画しています。
加えて、家そのものの寿命を30年から50年、50年から80年へと伸ばし、愛着をもって住めるように大工の手刻みを加えしっかりとした骨組みを造り、柱や梁そのものを身近に表しにして「木」と一緒に暮らすおおらかさを持ちたいものです。
「木」には割れたり、曲がったり、節があったりと様々な癖があるのは事実です。ただそれは年月を経るごとに一つの個性と見ることもできます。「木の家」を作る過程で私たちは時折言葉で表現できない感覚に包まれます。本物の素材でしか味わえない独特の雰囲気です。そこから伝わってくる「感動」が当社の原動力です。是非あなたのその目で確かめてください。